Guest Profile
竹上雅彦(たけがみ・まさひこ )
1978年生まれ。大学卒業後、大手人材派遣会社に入社。その後、複数の人材会社の経営に参画し、2017年3月株式会社キューボ設立。現在に至る。
特集いっしょに働きたい会社
1.「働く人を笑顔に」で信頼をかち取り、事業を拡大 医療介護分野の派遣でNo.1をめざす
団塊の世代が後期高齢者となる2025年には約34万人の介護人材が不足するといわれている(厚生労働省「第7期介護保険事業計画」)。こうした需給ギャップにいち早く気づき、介護士および看護師等の有資格者に絞り込んだ人材派遣事業を立ち上げ、急成長させてきたのが、キューボグループ(同一事業を営むキューボ、オプション、キャスト)率いる社長の竹上雅彦だ。
竹上が現事業と関わり始めたのは前職時代の2012年。実質的な事業の立案者であり、事業責任者として0からスタートさせ、わずか5年で売上げ40億円規模に成長させた。しかし、事業展開に関する社長との方向性の違いから退職。17年3月、キューボを設立し、同じマーケットを対象に人材派遣事業を立ち上げた。
「自分で立ち上げた事業だから、十分な運営ノウハウがある。それ以上に、このマーケットは需要がどんどん伸びており、われわれが参入することで、より活気づくと考えた」
キューボグループは事業初年度から約4億円を売り上げた。もちろん、前職時代の顧客(介護施設)を取り込んだわけではない。これまでにやり切れなかった施策を一気に推進、社内の事務作業、報告業務のIT化を図り、事業ドメインである派遣登録者と介護施設とのマッチング業務に社員が集中できる体制をつくり上げたからだ。
「派遣人数、情報量、マッチングのスピードでは他社に負けない自信がある」
こう聞くと、社員全員が四六時中、力づくでガンガン、マッチングを進めているように聞こえてしまうが、同業に比べて残業時間も少なく、「定時から30分から1時間もすればだれもいなくなる」(竹上)という。同社の理念は「働く人を笑顔に」。社員はもちろん、派遣スタッフ、派遣先のいずれもが「笑顔」で働けるということだ。マッチングを担当する営業スタッフは一人当たり20~40人の派遣スタッフを担当するが、「今回も●●さんに紹介してもらいたい」という指名が入るほど、営業スタッフと派遣スタッフとの関係性は良好だ。
「稼働できる日数に限りがあり条件的に厳しい場合でも、当社グループでは迅速にマッチングできる。あるシングルマザーからていねいな感謝の言葉をもらったこともある」(オプション社長・高田哲成)
設立間もないキューボグループだが、新卒採用も積極的に行なっていくという。「人材なくして会社の成長はない。早めに若手を入れて、イチから育て、2年後、3年後には組織を引っ張っていってもらいたい」(竹上)と考えているからだ。
この10月、同社グループの今後の成長を加速させるであろう報せがあった。同様の事業を営む東証マザーズ上場企業であるキャリアの傘下に入り、一気に規模拡大を図ることになったのだ(19年1月予定)。
「医療介護分野の派遣で№1。売上げ200億円をめざす」
キューボグループ代表、竹上は意気軒昂だ。