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成田 秀基(なりた・ひでき)
1981年東京生まれ。大学卒業後、防犯設備商社に入社。 同社に関連する分野で独立起業、2009年4月D&Dコーポレーションを設立。 事業を展開するなかでスマートミラーと出会い17年10月、同事業に特化した株式会社ミラーロイドを設立。
特集「世界を映し繋ぐ鏡」で 美容室IT化のインフラをめざす
1.「世界を映し繋ぐ鏡」で 美容室IT化のインフラをめざす
美容室業界に着々とサービス革新が進行している。その切り札となるのが、美容室になくてはならない鏡を利用したIoT(モノのインターネット)だ。
スマートフォンの機能を備えた鏡「スマートミラー」(特許出願中)により、美容室業界にアプローチを仕掛けるミラーロイドはその先駆者だ。
社長の成田秀基は「鏡は世界中で必要とされている。美容と健康を願わない人はいない」と、鏡に着目した理由を語る。
同社が開発・販売するスマートミラー『MirrorRoid』は、美容室で使用する大きな鏡にカメラを内蔵し、顧客本人の画像をもとに、鏡上でメイクやヘアスタイルのシミュレーションができるというものだ。
顧客ごとにヘアスタイルの履歴を管理したり、プによるスタイリングの動画保存も可能。『MirrorRoid』と連動するスマホアプリの開発も進んでいる。
2018年3月、業界では技術の高さとサービスの品質で有名な美容室に『MirrorRoid』が導入された。そこでの実証データを確認し、今年(18年)のゴールデンウイーク以降には、本格的な展開を考えているという。美に関連する業界からも注目を集める。
東証一部上場の子会社で肌チェック機器を扱う企業とのアライアンスが進み、カテゴリー№1のある化粧品メーカーなども関心を寄せている。
『MirrorRoid』は現在、導入費用ゼロ円、コストは月額の利用み、というモデルを想定しているが、「来店頻度が上がるという導入効果も出ています。鏡上に表示する広告売上の還元も考えており、美容室の費用負担は実質ゼロに近くなる」(成田氏)。
近い将来の1000台体制を想定し、ミラーロイドではエンジニア含め人員増強を図る。日ごろから社会貢献を口にする成田は、その先に「世界を映し繋ぐ鏡」として、途上国にも『MirrorRoid』が活用される日を思い描いている。