きらめき不動産株式会社 後藤 聡志

Guest Profile

後藤 聡志(ごとう・さとし)

大学卒業後、ワーキングビザを取得しオーストラリアで1年間過ごす。帰国後さまざまな業種を経験する。2004年に不動産投資業界へ転身。08年きらめき不動産を創業。13年に自由が丘店、15年には品川オフィスを開設。CCIM(事業用不動産投資顧問)、CPM(米国不動産経営管理士)、IREM JAPAN理事、公認不動産コンサルティングマスター、有効不動産活用士、宅地建物取引士、2級ファイナンシャル・プランニング技能士・賃貸不動産経営管理士、住宅ローンアドバイザー、定借プランナー、古民家鑑定士、損害保険募集人資格、少額短期保険募集人資格。著書に『不動産投資の買い替え戦略〜購入後8年で売りなさい』ほかがある。

特集プロとして投資分析、賃貸管理を極め 既存の不動産業界と一線を画す

1.専門性の高い投資分析や 賃貸管理に定評

CCIMというライセンスをご存じだろうか――。シカゴに本部を持つ全米認定不動産投資顧問協会認定の、「不動産投資顧問スペシャリスト養成プログラム」を経て得られる、かなり難易度の高い資格である。現在、世界28ヵ国で約1万5000人のメンバーが活躍しており、不動産投資に必要なさまざまな分析手法に基づき、ロジカルな投資判断をできるプロフェッショナルとして世界中から高い評価を得ている。

きらめき不動産社長後藤聡志は、この日本ではまだ150名ほどしかいない資格を3年前に取得。また日本国内の資格取得者500〜600名という賃貸管理の専門資格であるCPM(全米公認不動産経営管理士)も取得している。きらめき不動産は、日本でこそあまりなじみがないが、世界的には専門性が高いとされる不動産投資の分析や賃貸管理手法に通じた不動産会社なのだ。

同社が、不動産投資を主たる業務とする他社と一線を画するのは、この事実に負うところが大きい。業界にありがちな、ただ〝高く売りましょう、買い替えましょう〞ではなく、精度の高い投資分析を経て、真に適正な提案をすることを社として実践しているのだ。「不動産投資はそんなに甘くない」と後藤は言う。「しかし、しっかりポイントさえ押さえておけば損もしない」とも。これは、どれぐらいの金を使って投資すればどれぐらいの利を産むのか、他の金融資産への投資との比較なども踏まえたうえで、きちんとした投資分析によりはじき出された数字をもとに、資産運用の提案を行なっているからこその発言といえよう。

2.見込み顧客の獲得は セミナー、個別相談会から

きらめき不動産がメインの対象としているのは個人の投資家。主として中古ワンルームの保有者、アパートや一棟マンションを20 〜30年前に購入し持ち続けている人、年収500万〜5000万円クラスのサラリーマン大家さんなどだ。いずれの場合も、投資、買い替えの組み立てを、どの金融機関から融資をつけるかまですべて行なう。購入物件の管理に関しては、プロパティマネジメント的なことから、各戸の水漏れ対応までも行なっている。

物件の仕入れ以外ではプッシュ型の営業はしない。不動産投資に興味のない人にはけっして押しつけない。毎日のように、同社のホームページや他の媒体での記事を見て不動産投資に興味を持ち、問い合わせをしてくる見込み顧客がおり、また、同社が開催するセミナーや個別相談会に参加して投資を決める人も多い。

同社の創業は、2008年。「たった一人で始め、ムリのないところで実績を作り、ここまで来た」と後藤は振り返る。大学卒業後、就職活動も一切することなく、ワーキングホリデーを使ってオーストラリアへ渡る。実はサーフィンが目的だった。プロにという気持ちもなかったわけではない。しかし、当時のワーキングホリデーは25歳までしか適用されなかったため、やむなく帰国。その後、さまざまな職を経て、不動産への興味にたどりつく。父親が事業家であったこともあり、幼い頃から漠然とした起業への思いはあった。そしてきらめき不動産を設立。不動産投資コンサルティングの道を選んだのは、子ども時代から算数・数学好きだった彼の勘。ベストセラーとなった『金持ち父さん、貧乏父さん』の影響もあった。

3.積極的にチャンスを与え 吸収するのは本人次第

しかしながら、たった一人での会社経営はさすがに厳しく、タウンワークに3万円を投じ求人広告を出した。その際の広告コピーは「年収9桁(億円単位)をめざす人募集」だったという。

その当時の思いは、現在も変わらないというが、いま求める人材を問うと、「運がいい人」という答えが返ってきた。「運がいい人がたくさん集まれば、会社の運もよくなる」という単純な発想というが、後藤の言う「運がいい人」というのは、「高いモチベーションを持って行動し結果を出せる人」、「人をひきよせる力の強い人」のことだ。もちろん未経験者であってもかまわない。人材の活用方針としては、「チャンスは与えるが、吸収するのは本人次第」。決まっ型にははめず「好きにやらせている」という。そうしたなかで、入社後CPMや宅建(宅地建物取引士)資格取得のサポートには力を入れる。たとえばCPMを取得するまでに一人80万円ほどの費用がかかるが、会社が全額を負担する。同社には現在、CPMの取得者、および同教育プログラムを受講中の者が10名にのぼっている。

さて、同社が目指す次なる展開は――。その一つが、「アッパー層と裾野を広げる」ことだ。裾野拡大に関しては、投資金額を小口化し年収の低い人でもできる不動産投資の仕組みを作ることに力を注ぐ。その事業展開のために必要な不動産特定共同事業者としての許可を受ける予定があり、本格的に取り組む計画だ。ちなみにこの許可を得ている企業は100社程度しかなく、大半が財閥系企業であり、きらめき不動産のような個人企業は数少ない。アッパー層に関しては、たとえば20億円の物件の話が来た場合でも、人的ネットワークを駆使して海外の投資家に紹介できるようにすることだ。

さらに後藤の目指すところには、海外における事業展開もある。アウトバウンド(海外の物件への投資)としては、ベトナム、フィリピン等の物件を視野に入れている。インバウンド(海外の投資家向けの物件紹介)については、台湾に直営サロンを置き、香港やシンガポール等、すでに割高な物件が多くなってしまった地域の投資家に、相対的に割安な日本の物件を紹介していくことを企図しているという。

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