2000年に独立、起業して3年間給料ゼロ

 全国4300の看板屋とチェーン企業の仕事を繋ぐ『看板ナビ』といった看板事業から介護と、多彩な事業展開を行なうgCストーリー株式会社。一風変わった会社だが、西坂勇人・代表取締役社長はもっと風変わりな人物だった。

 

 宮城県の大学に進学はしたが「大学へ行く意味も、働く意味も分からず、お金も欲しくなかった。だから流れで友達の父親の看板商社で働くことにした」(西坂)

 

 そんなある日、東京が「ITバブル」で騒がしくなっているのを知った。まったく知識はなかったが人を集め、出来上がったのが今日の『看板ナビ』。全国の看板屋をネット上に集め、看板屋を探して検索してきた人に情報を提供するビジネスだ。当時はプラットフォームだけだったが、順調に看板屋の会員が増えた。そこで社長に相談し2000年に独立した。

 

 それから3年間、西坂は給料0円だった。

 

「別に苦しくはなかった。ただ、社員には1万ずつあげていた」(西坂)

 

 会員は増えるがビジネスにできない日々が続く中、全国の会員の看板屋を尋ねる旅に出る。そして、転機が訪れる。道すがら、社員が「月給15万円もらえている友達がうらやましい」と泣き出したのだ。

 

「お金に興味がないのは自分だけだと気付いた。そして、本気で利益を出すと決心した」(西坂)

 

 

採用で大真面目に「生きる意味」を問う

 2005年、サイベイト株式会社(現:gCストーリー)を立ち上げ、『看板ナビ』を本格的にビジネス化した。ネットワークを使った全国一斉に実施する施工工事、大手チェーン企業の看板メンテナンスや貼替え。これらの仕事と看板屋をマッチングするサービスをつくったのだ。

 

 しかし、お金儲け自体には、やはり興味はないと西坂は言う。

 

「では何のために働き、生きているか。それは社名の由来であり、理念でもある『growth for Contribution=貢献の為の成長』。企業も人もだれかの為になりたいし、そういう人でありたい」(西坂)

 

 そこでgCストーリーは、ブルーカラーのビジネスを効率化し、幸せに働けるようにすることを掲げる。この思いを軸にしているから、介護事業といった展開に繋がったのだ。

 

 また、企業理念はもう1つある。「全従業員の幸福」だ。まず、全従業員の幸福があり、次にパートナーの幸福。「貢献の為の成長」を追求するgCストーリーならば、社員を思うのは至極当然だ。ただし、だからこそ採用は大変なこだわりをみせる。5次面接まで行ない、最後は合宿にいく。大切なことは、理念へ共感できるか、それがすべてなのだ。

 

「会社説明会で、事業の話は一切しない。ひたすら『幸せって何だろう?』とか『生きる意味はなに?』といった話ばかりしている。カルトかと思われるかもしれないが、こちらは大真面目。中途半端で入ると、すぐ辞めてしまう」(西坂)

 

 2008年から毎年10人ほど新卒をとり始め、現在は60名中半分以上が新卒採用になった。偏差値は選定基準ではないが、自然と早慶や地方国大出身の学生が集まるという。

 

 数値的な目標を最後に問うと現在の売上げは30億円。しかし2025年には売上げ1000億円を目指している。もちろん、それは金のためではなく、誰かの役に立つための1つの指標でしかない。

 

 

*『CEO社長情報』vol.11

 

|プロフィール

西坂勇人(にしざか・はやと)

1971年大分県生まれ。95年宮城教育大学卒業。97年テクノアート株式会社入社。2000年有限会社リスペクト設立。2005年gCストーリー(旧:サイベイト株式会社)を設立。

 

・社名: gCストーリー株式会社

・業種:施工事業(サイベイト事業部)、介護事業(介護事業部)・設立:2005年6月20日
・資本金:1億2400万円
・売上高:
・社員数:60名
・所在地:東京都江東区富岡2-11-6 長谷萬ビル 4F
・電話番号:03-5639-3801
・URL:http://gc-story.com