年間18万件以上の相談実績。保険業界をアッと言わせた
“営業に出向かない”成長モデル

だれも気づかなかったニーズの発掘お店で保険に加入する

櫻田 私は銀座に行くたびに「ほけんの窓口」さんが目につきます。銀座の中心に何店舗も出店されて、素晴らしいなと。

 

今野 あのお店(ほけんの窓口 銀座中央支店)は宣伝効果も期待しての出店です。もちろん店舗として多くのお客様にご利用いただいておりますが、やはり銀座4丁目の交差点ということで東京の中心地ですからね。たくさんの方々に知ってもらうために出店を決めました。

 

保険の窓口

保険の窓口グループ・今野則夫氏

櫻田 ちなみに交差点を挟んだ向かいにも御社が運営されている保険ショップがありますよね。(みんなの保険プラザ 銀座支店)

 

今野 いま、当社は消費者の方々に、どれだけ知っていただくかが課題です。最新の外部の認知度調査では、やっと3割を超えたところですから。2~3年後には7~8割の方に知っていただいている会社になりたいと思っています。

 

櫻田 CMも積極的に打っておられて、特にスポーツ関連のスポンサーでよく拝見します。とても認知度が3割とは、思えませんが。

 

今野 いやいや、そんなものですよ。興味のない方はCMを見てもなかなか記憶していただけないし……。ただ少しずつではありますが認知度も上がっていっているという実感はあります。

 

櫻田 われわれの世代だと保険に加入するのに「お店に行って選ぶ」という感覚がありません。失礼ながら「お客さんは来ているのかな?」と気になって、通りしなにのぞかせていただいているんですが、いつもお客さんがおられるんですね。

 

今野 それが正直なご感想だと思いますよ。私が「来店型保険ショップ」を出店した当初は、業界内でもかなり冷ややかに見られていました。自分でも「本当にうまくいくだろうか」という不安もありましたしね。

 

櫻田 しかし現在の御社を見れば一目瞭然ですよね。保険業界で誰も気づいていなかった大きなニーズを発掘されたということです。

 

 

顧客ニーズに応えるのが仕事相談の質を落とさないために営業の相談件数に上限

今野 そうですね。従来の保険販売というのは会社なり自宅なりに営業員がやってきて、説明を受け名前を書いて、言われるがままに入るものが主流でした。いわゆる「訪問型」です。

 

櫻田 われわれの大阪支店では夕方になると大手生保の女性営業員が入口に立って、飴を配りながら毎日のように挨拶してるんです。内心「大変だろうな」と思います。

 

今野 ええ、大変ですよ。だから折角この業界に入ってきても長続きせず、多くの人が1年未満で辞めていくんです。

 

櫻田 私の前職の同期でも、保険会社に転職したものがいました。順調な人もいれば、苦労している人もいるようです。人によってずいぶん違うようですね。

 

今野 「訪問型」という販売スタイルは、いかにお客様になってくれる人脈を作れるかによって決まってくると思います。新規顧客獲得の能力はすべての人が備えているわけではありません。

 

櫻田 そうでしょうね。そういえば、御社では一人の営業の方が月に行なう顧客相談の件数に上限を設けているとうかがったのですが。

 

今野 当社はお客様に来ていただくスタイルですから、自分から営業に出る必要がありません。ただそれぞれのお客様一人ひとりに沿った対応をきちんとしていくなかで、あまりに多くの案件を抱えてしまうとコンサルティングの質が落ちてしまう。そういう理由で上限を設けているんです。

 

櫻田 なるほど。相談の質を維持するために、相談件数に上限を設けるという発想には驚きました。

 

今野 当社の営業スタッフはお客様に商品ありきの提案はしません。大切なのはお客様のニーズを聞き、必要な保障を一緒に考えていくことです。これは経験を積めば積むほどうまくなります。ほかの保険会社の営業でうまくいかなかった人でも当社のビジネスモデルでは成功できるんです。私は「人は変われる」と信じていますし、実際そうやって変わってきた人を数多く見ています。

 

 

保険業法改定乗合保険代理店の解禁で要望に合わせた提案が可能に

櫻田 このビジネスモデルに気づかれたのは、どのようなきっかけだったのでしょう?

 

今野 私は過去に保険会社に勤めていたのですが、もちろんそのときはそこの保険商品しか取り扱えませんでした。ただ、自分のなかではもっとお客様のニーズに合わせていろいろな保険を扱えたらいいだろうという思いはありました。

 

櫻田 確か1996年に保険業法が変わったとか……。

 

今野 ええ。保険業法が改定され、乗合代理店が解禁されました。一つの保険代理店で複数社の保険会社の商品が扱えるようになったんです。そこで当時すでに独立していた私は、乗合スタイルの訪問営業を始めたんです。

 

FutureOne・櫻田浩 氏

櫻田 まずは訪問営業からスタートされたんですね。でも複数社の商品を取り扱えるという点で大きな違いがあったんではないですか?

 

今野 はい。やはりお客様の要望に沿ったご提案がしやすくなりましたし、お客様からの反応も大変良かった。そんなとき、損害保険で旅行傷害保険や自動車保険を対面で販売する店舗ができたと耳にし、見学に行きました。10~15坪のこぎれいな店舗でしたが、店長と店員がとても楽しそうに接客しているのが印象的でした。

 

櫻田 損害保険の分野では、来店型を先行するお店があったのですね。

 

今野 そうなんです。従来は「訪問型」が主流でしたから、お客様に来ていただいて応対するというスタイルを見て、とても新鮮でした。

 

櫻田 それで、ご自分でもやられてみようと?

 

今野 ええ。かなり悩みましたが「やってみなければわからないのだから」と、2000年1月に港北ニュータウンに1号店を出しました。開店日にはチラシを打って、プレゼント企画をやったらお客さんがたくさんいらっしゃって。

 

櫻田 すごいですね。いきなり大盛況ですか!

 

 

きっかけがあれば人は変わる店番スタッフが証明した来店型モデルの可能性

今野 いえ、しばらくしたらだれも来てくれなくなりました。これではまずい!と、私自身は外回りに力を入れたんです。でもお店もありますからね。こちらのほうは生保損保の両方に経験のあるスタッフを店番として置きました。しかし話すとつっかえるし、雰囲気も暗いし、どの保険会社でもいい成績を上げられなかったような人だったのですが、一年くらいして面白いことが起こりました。

 

櫻田 何があったのでしょう!?

 

今野 この店番要員のスタッフが、かなりの売上成績を上げるようになったんです。まさかと思って見ていたら、普段は自信なさげにブツブツ喋るのに、お客様の前では実に素晴らしい接客をしていたのです。お客様の相手をするうちに、上達したんですね。

 

櫻田 なるほど。新規顧客を獲得するのは不得手でも、商品説明のテクニックは磨けると。

 

今野 彼も契約が成立するたびにうれしくなって、もっと成績を伸ばそうと、エクセルでライフプランニングシミュレーションのソフト*を自作したんですよ。そのソフトを使って、お客様のニーズに合った提案を作り、わかりやすく説明をしていたから、来店されるお客様が次々と保険に加入していったというわけです。

 そうやってよい結果が出ると、お客様に対して「もっといい提案がしたい」「もっと喜んでもらいたい」という前向きな気持ちになって、さらに努力をするようになりました。

 

櫻田 やはり人というのは「人から必要とされたい」という気持ちが大きな原動力になりますよね。そうした小さな成功体験が積み重なって、人の成長を促進させるのですね。

 

今野 そうなんです。お客様に保険を提案して、感謝してもらえる――。だからこそ自分の使命(仕事)に前向きになれる。その姿を見て「このビジネスモデルなら、人も育てられる」と確信しました。

 

櫻田 そんなことが。人は変わるものですね。

 

今野 実を言えば、私自身もずっとネガティブ人間でした。引っ込み思案の恥ずかしがりでしたしね。

 

櫻田 本当ですか!? いまの社長からは想像もできません。

 

今野 ええ、本当なんです。もともときっかけさえあれば人は変われるという体験は自分にもありましたし、そのうえで先ほどの男性のケースを見ましたから、このビジネスモデルは間違いない、そう感じました。やりがいがあり、人を幸せにしてくれるビジネスモデルだ、と。

 

 

店舗の認知度がアップし、飛び込みのお客様が増加店舗の接客力も向上

櫻田 いまでは全国に380以上もの店舗を運営されていますね。この短期間にここまで拡大を続けられるとは、すごいの一言です。

 

今野 ありがとうございます。会社の知名度が上がるのは大変うれしいし、ありがたいことです。テレビCM等にタレントを起用したことで、最近は飛び込みでいらっしゃるお客様が増えてきました。以前は予約のお客様がほとんどでしたので、大きな変化です。

 

櫻田 なるほど。外部環境が大きく変わったというわけですね。

 

今野 はい。以前は保険の見直しや新規の加入を真剣に考えている、保険に高い関心を持ったお客様だけが、ご予約して来店されていました。しかし認知度が上がるにつれ、気軽にフラッと来店されるお客様が増えてきました。「保険」って従来はそんなに気軽なものではなかったと思うんです。だから、こうして幅広い層のお客様に保険ショップに来店いただけるようになったということは、本当にありがたいことなんです。

 

櫻田 消費者の保険への意識を変えた!ってことですよね。現場での混乱はなかったですか。

 

今野 ええ、飛び込みのお客様も含めて、すべてのお客様に満足していただける店舗作りをしています。とくに店頭営業を行なうスタッフには独自の教育システムを受けてもらっています。以前は「保険コンサルティング」がメインでしたが、現在では飛び込みのお客様にも柔軟に対応できるよう接客・接遇の教育も充実させました。

 

 

常識外の継続率が示す「店舗型」の顧客満足度

櫻田 店舗の覆面調査もやられているそうですね。専門の業者に依頼されるのですか?

 

今野 いいえ。業者さんにお願いすると報告書があがってくるだけで、生の声としての実感が伝わらない。ですから当社では社員にやらせています。

 

櫻田 それはよいアイデアですね。接客がよければお手本に、悪ければ反面教師になります。自分が働く会社のことですから調査をする側も本気になりますよね。

 

今野 そういうことです。店舗でも覆面調査が継続的にあるとなれば、油断せずにやるでしょう。またこの調査結果は、生の声としてすべて全社にアナウンスしています。それがまたスキルアップにつながれば、というわけです。

 

櫻田 今後の展望はいかがでしょうか。まだまだ出店余地はおありとお考えですか。

 

今野 はい、まだまだあると思っています。保険業界全体で見ると「店舗型」のシェアは5~6%、当社に限ればまだ2%程度です。当社では、お客様のニーズやライフプランに沿った〝お客様ありき〟の提案しかしません。しかも、複数の保険商品を取り扱い、お客様に選んでいただけます。となれば顧客満足は自然に高くなっていきます。

 

櫻田 そうですよね。最初にとことん詳しく説明されて、納得づくで加入するわけですもんね。

 

今野 それを実証するものとして「継続率」という指標があります。24~25ヵ月後にどれくらいの人が保険を続けているかという数値です。当社の場合、この数値が他に比べて高いんです。

 

櫻田 それはすごい。国内でも、まだまだ成長が見込めますね。

 

今野 はい、そう思っています。すべてのお客様に最適な保険を選んでいただく場をもっともっと増やし、保険流通そのものも変えていきたいと考えています。「保険って本当に必要なものなんだ」ということを、多くの方に知っていただきたいですからね。

 

櫻田 今日は、すごく元気の出るお話でした。どうもありがとうございました!

 

 

『CEO社長情報』vol.7掲載

 

 

 

*パソコンに必要な個人情報(年齢・性別・年収など)を入力すると、将来にわたり、いくらぐらいの生活資金が必要なのかを瞬時に試算できる表計算ソフト。その結果をベースに、必要な保障内容を提案することが可能になる。

 

 

|ゲストプロフィール

今野 則夫(こんの・のりお)

1955年、秋田県生まれ。東京経済大学を卒業後、87年にソニー生命保険株式会社に入社。94年にソニー生命の移行退職制度第1号として独立し、95年4月に会社設立。2000年3月に横浜市港北ニュータウンに「来店型保険ショップ」をオープン。01年12月、株式会社ライフプラザホールディングスを設立。12年4月、ほけんの窓口グループ株式会社へ社名変更。

 

業  種 ●生損保代理店
設  立 ●1995年4月
資 本 金 ● 6億7450万円
営業収益 ● 221億2771万円(連結、12年6月期)
出  店 ●「ほけんの窓口」246店舗、
      「みんなの保険プラザ」102店舗、
      「ほけんの専門店」34店舗
(2013年3月26日現在)
住  所 ●東京都渋谷区渋谷2-21-1渋谷ヒカリエ18F
電  話 ●03-5464-2511
U R L ●http://www.lifeplaza.co.jp/